商品の説明
1930年にPrinceton University Pressから出版されたPhilip Hitti校訂によるUsãmah Ibn Munqidh「Kitãb Al-I"tibãr(回想録)」の和訳本で、関西大学の藤本勝次先生が在阪のアラビア語研究者の協力を得て取り纏められたもので、1987年に関西大学東西学術研究所から「関西大学東西学術研究所訳注シリーズ 3 ウサーマ・ブヌ・ムンキズ 回想録」として出版されたものです。
歴史、哲学、社会学などの人文学に関する書籍を豊富に展開
著者ウサーマ・ブヌ・ムンキズ(1095~1188)はシリアのハマーに近いオロンテス河畔の城塞シャイザルの城主の子として生まれ、シリア・エジプトの各地の王朝に使えた武人・文人で詩人としても良く知られた人物で、晩年はサラーフ・ディーンの庇護の下ダマスカスで暮らし、93歳でその生涯を終えた。
本書はウサーマが晩年に子孫のための人生訓として口述筆記で著したもので、内容は3部に分かれている。第1部 「戦いと旅」は彼の遍歴 と戦争における体験や観察、第2部「珍しい話と逸話」は彼が見聞した寓話や珍しい病気治療法の記録、第3部「狩猟の話」は彼と彼の父の狩猟についての話である。
ウサーマの生涯は十字軍の第1回~第3回遠征の時代に当たり、彼が自ら経験したフランク人(十字軍ではなくヨーロッパ人の意のフランク人として記述されている)との戦いと、平時のフランク人との交流について具体的な情報を残しており、十字軍時代のアラブ側の貴重な資料になっている。
狩猟に関しては彼の父の鷹狩・猟犬について詳しく述べられている他、当時は多数生息していたライオンとの闘い等の話は非常に興味深い(彼は数え切れないほどのライオンを仕留めた由)。
出品の本は1990年代後半に都内の古書店で購入したもので、函はヤケや傷みが少しありますが、本体は傷み等は殆どありません。
商品の情報
カテゴリー本・雑誌・漫画 > 本 > 人文商品の状態目立った傷や汚れなし発送元の地域東京都